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題 名:花は咲けども噺せども
著 者:立川談慶さん
発行所:株式会社PHP研究所
価 格:780円+税
立川談慶さんは1965年、長野県上田市生まれ。慶応大学卒業後、ワコールに入社。3年間のサラリーマン生活を経て91年立川談志の18番目の弟子として入門。通常4~5年とされる前座修行を9年半経験するという異例の長い期間を経て、2000年に二つ目昇進、そして05年に真打に昇進。
本書はご自身の経験をもとに書かれています。立川談志の落語に魅せられた主人公の杉崎は、安定した職を辞め、落語家を目指します。異例ともいえる7年の前座修行の後、なんとか二つ目になり「山水亭錦之助」を命名されるも食えない日々が続きます。「人生の選択を誤ったな」と笑う同窓生らを後目に、がむしゃらに高座に上がる錦之助に末期ガン患者さんの前で落語をしたり、地方に行った時のスナックでの出来事、特に中学校での出前授業で出会った女子生徒のお父さんが書いた手紙は涙が溢れてきました。
談慶さんと私はほぼ同年代ですので、書かれている時代背景も「そうそう」「なるほど」という場面が多く共感する内容が多く書かれています。特に奥様の一言一言が心にぐっと染みます。素晴らしい言葉を残しています。
さすがは噺家さんの小説です。とても読みやすく高座をお聞きしているような展開やリズムを感じます。私の趣味は新宿末広亭に行って落語を聞くことですが、まだ談慶さんの落語を生でお聞きしたことがありません。今年はぜひ談慶さんの落語を聞きに行きたいです。本書は落語好きな方はもちろん、落語初心者の方にもとても読みやすく、感動の一冊です。