狛江の地で63年営業しています。小田急線、狛江市、調布市近辺の不動産の売買・賃貸の事なら、狛江の地を知り尽くした藤田不動産株式会社にお任せ下さい。
題名:旧友再会
著者:重松 清さん
発行:株式会社講談社
価格:780円+税
私の大好きな作家さんベスト5に入っている重松清さんの文庫本をご紹介します。重松さんは1963年岡山生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て執筆活動に入る。「とんび」や「かあちゃん」「赤ヘル1975」などは涙なしでは読むことができないほどの感動小説です。
重松さんはほぼ同世代(私の一つ上)で小説に出てくる登場人物も同じくらいの年代ですので、とても共感できる作品が多いのが特徴です。そして家族の内容が多く、とても感動する小説を書かれています。約一年前に「どんまい」という重松さんの小説をご紹介しましたが、今回の「旧友再会」も素晴らしい内容でした。約380ページの書籍です。ショートストーリーが一作、短編が三作、中編が一作の内容ですが、私はそのなかで「ホームにて」が一番感動しました。
大手私鉄グループの不動産会社やその関連会社に勤めていた主人公は60歳で定年退職、希望すれば定年後も嘱託で残ることができたのに、関連会社の駅の立ち食いそば屋さんに再就職。カウンターに立ちそばをつくり卵のサービスをして人の命を救う。そのことが新聞の記事に乗り、息子も立ち食いそば屋さんに足を運ぶと社長が腕を振るっていて、父親の感動のエピソードを聞かされる。
中編小説の「どしゃぶり」では「現実の世の中って、ほんとはリーグ戦なんじゃないか?勝ったり負けたりするんだよ。トーナメント戦は一回負けたら終わりだけど、そんなことないと思うんだよ、世の中って。」この言葉に感銘しました。
とにかく感動する小説です。お勧めします。