狛江の地で63年営業しています。小田急線、狛江市、調布市近辺の不動産の売買・賃貸の事なら、狛江の地を知り尽くした藤田不動産株式会社にお任せ下さい。
題 名:どんまい
著 者:重松 清さん
発行所:株式会社講談社
価 格:1,020円+税
重松清さんは私の大好きな作家さんのお一人です。先日の書店パトロール(休日に本屋さんで2時間ほど過ごすこと)
で見つけた新作です。過去に「とんび」や「かあちゃん」などお勧めの本でご紹介しましたが、重松さんの小説は
ズバリ親子愛がテーマです。
今回の作品、親子愛はもちろん、草野球を通じて様々な登場人物の人生ドラマが描かれています。主人公は離婚後
の再スタートで娘を巻き添えにして草野球を始めることになる洋子さんが中心となりますが、やはり現実はとても
厳しいものでした。迎え入れるチームの面々も、親の介護や子育てや仕事に悩み、リストラに怯えたり、いじめに
傷ついた面々。
亡くなったお母さんが作ってくれたカレーライスの話、介護で帰省した中年男性に母親が作ってくれた20年ぶり
のお弁当の話など、電車で読んでいたのですが、顔をあげることができないほどウルウルしてしまいました。
私は特に母親の話には弱いんです。
高校時代の野球部監督の話、「高校生のスポーツはみんなトーナメント戦だ。プロや大学リーグはリーグ戦なのに
高校生だけ一回負けたらおしまいなんだ。でも人生はリーグ戦だ。勝ったり負けたりして成長していくんだ」と
書かれていたくだりには妙に納得しました。
今回の「どんまい」にも重松さんの愛がたくさん詰まっています。570ページに及ぶ長編小説ですので読み応え
十分です。時間のかかる小説かもしれませんが、2022年に是非読んでいただきたい一冊です。絶対おすすめします!